長く英語を指導していますが、日本人学習者にとって、いつも難しいと思うのは英語の単数・複数、そしてこれにからむ冠詞、そして some や anyの使い方です。正確に指導されている例や、わかりやすい参考書の記述が見当たらず、自分自身も英語を学習していた時、いつも曖昧なままでした。

 

ここで、このブログの読者に限って、some と any のわかりやすい使い分けを伝授しましょう。

 

私たちは学校で、some は肯定文、any は否定や疑問文で使う、と教えられましたが、これは、まったく的を得ていない説明です。またsome や any の後には複数形が来るのか単数形が来るのかも、なかなか自信が持てないですよね。

 

問題は、 any も some も「数を説明している場合と」「対象を指定している場合」の2つに分けて考える必要があるのに、これらをごっちゃに説明しようとする、あるいはごっちゃに考えてしまっているので混乱し、正しい使い方がわからないのです。

 

図を見てください。any も some も「量」を示す表現と「指定」を示す表現に分ければわかりやすいのです。

 

 

量について、any は「いくらかでも」ありますか?と聞く疑問文や、not と呼応させて「いくらも(全く)ない」という否定文で使われます。日本語で考えた時に「でも」「も」がついているところが any の特徴です。

Do you have any books by Conan Doyle? 「コナン・ドイルの本を一冊でも持っていますか?」I don’t have any books by Conan Doyle. 「コナン・ドイルの本は一冊も持っていません。」

 

Do you have any money? 「少しでもお金を持っていますか?」I don’t have any money.「全く持っていません。」

 

一方、量について、 some は「いくらかある」という文や、あることを前提に「いくらかのXXXを持ってきたか?」という疑問文、「いくらかのXXXは」といった説明文で使います。

 

I have some money.「私はいくらかのお金を持っています。」I have some books by Conan Doyle.「私はコナン・ドイルの本を何冊か持っています。」Can you lend me some pencils? 「鉛筆をいくつか貸してもらえますか?」

 

Some people believe in supernatural powers.「超能力を信じている人もいます。」

 

 

これらの「量に関する表現」では any/some の後ろに来る名詞は数えられる名詞なら複数形になります。

 

一方、「指定の表現」では、後ろの名詞を指定しますが、数が問題ではないので、単数の場合も複数の場合もあります。

 

「指定の表現」において、any は「どんなXXXでもいい。」とか「どんなXXXでもできる。」というように、その名詞にあたるものなら対象を限定せず、「どんなXXXでも」の「でも」が付くことが大切です。Any idea to utilize this machine will be welcomed. 「この機械を活用するいかなるアイデアも歓迎です。」

 

 

I like any cats.「私はどんなネコも好きです。」You may come at any time you like.「いつでも好きな時間に来ていいですよ。」

 

「指定の表現」においてsome は、「何らかのXXXが要る」とか「ある(或る)人がXXXした」というように使われ、それらが存在することを前提にしながらも、対象を不明確に言う表現です。

 

I need some help from you. 「私はあなたの何らかの助けが必要です。」He got married with some lady.「彼はある女性と結婚しました。」

 

I don’t like some types of vegetables.「私は幾種類か嫌いな野菜があります。」Do you have some medicine for stomachache? 「胃痛のためのお薬を置いていますか?」

 

any と some には他の言葉と結びついた多くの合成語がありますね。

anyone/anybody: 誰でも

Anyone can face difficulty. 「誰でも困難に直面することがあります。」

 

 

 

anything: なんでも

Do you know anything about new iPhone? 「新しいiPhone について何か知ってる?」

 

anywhere:どこでも[副詞]

Don’t go anywhere. 「どこにも行かないでね(そこにいてね)。」

 

someone/somebody: 誰か

Someone broke the window last night. 「昨夜、誰かがその窓を割りました。」

 

something:何か

Do you want something to drink? 「何か飲みますか?」

 

somewhere: どこか(で)[副詞]

She is somewhere far away. 「彼女はどこか遠くにいます。」

 

 

いずれも「指定の表現」ですね。

 

sometimes「時々」は頻度の副詞ですが、形からわかるように「量の表現」ですね。Jane sometimes attends the meeting. 「ジェーンは時々、その会議に出席します。」

 

 

また、somewhat も、副詞ですが「量の表現」。He came somewhat late. 「彼は、いくらか遅れて来ました。」

 

ところで、some には「大したXXXだ」「すごいXXXだ」と言う意味もあって面白いです。

 

I found that he is some fellow. 「彼はなかなかの人物だとわかりました。」some day も「いつか」という副詞の他に、That was some day. 「それは大変な日でした。」という意味になるので注意して味わってくださいね。

 

いかがですか?any は否定文と疑問文、some は肯定文、といった教え方がいかにおかしいかわかりますね。そして図で示したこの4象限さえ理解すれば、You are some learner! 「あなたは大した学習者だ!」