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先に「目と口」で、人のコミュニケーションと情報収集が進む、とお話ししましたね。前回は目で「見る」がテーマでしたが、今回は「口で」話すの英語表現がテーマです。

 

自分自身、英語の学習で混乱しやすかったのがこの「話す」を表わす英単語、speak、 talk、 say、tell の使い分けでした。

 

これらの差異を理解するには、それぞれの言葉のイメージをつかむとともに、文の作り方を学ぶ必要があります。

 

文の作り方というのは、動詞の場合、目的語を後ろにとる他動詞か、とらない自動詞か、という点と、自動詞の場合、どんな前置詞と組み合わされるのか、という点です。

 

他動詞の場合は、目的語の形が通常の名詞か、that節か、直接カギ括弧(“ ”)か、あるいは不定詞などを使う構文か、といった点ですね。

 

難しいと思わずに、ナルホドと理解しながら馴染んでいくことが大切です。それではまず speak と talk の違い。両方とも基本は自動詞なので、話し相手については to や with 、話の内容は about などを伴って使います。

 

speak は talk より話し手と聞き手の距離があり、また話し手の立場が高い場合が多く、また「話し手が話すこと」に焦点が当たり、聞き手との相互コミュニケーションは意識されません。

 

 

つまりtalk より speak の方がやや形式を重んじて、一方的です。名詞が speech(演説) であることから納得できますね。

 

Today, he is going to speak about democracy. 「今日、彼は民主主義について話すことになっています。」speak は言語を話す時には他動詞となります。speak English、speak Japanese.

 

また、電話のやり取りでspeak を使うのも決まったパターンです。This is Tom Calvin. Can I speak to Jane Adams, please?「トム・カルビンですがジェーンアダムスさんはいらっしゃいますか?」 Speaking. 「私ですが」

 

 

talk は友達や知り合いと話す時に使います。双方向のコミュニケーションですね。talk with の形で使うのが普通。talk to もほぼ同じ感じですが、「話しかける」となり、やや方向が一方的。speak よりカジュアルです。さらにもっとカジュアルなおしゃべりはchat を使いますね。

 

 

I talked with Jane about new fashion trends. 「ジェーンと新しいファッショントレンドにつて話しました。」Do you have time to chat? 「おしゃべりする時間、あるかな?」

 

次に say と tell 。どちらも話す内容に焦点が当たりますが、話し方、伝え方に大きな差があります。

 

say は まさに「言う」と意味で、話したことをそのまま伝えます。カギ括弧をつけて、言う内容をそのまま伝える(直接話法)の他動詞が基本で、誰に対して言うかは前置詞 to で示します。

 

 

He said to us “It’s time to move on.” 「次に進むべき時だよ。と彼は私たちに言った。」

 

She said nothing. 「彼女は何も言わなかった。」Tom said so. 「トムがそう言った。」といったシンプルな使い方もあります。この so は副詞ですが、この場合は特殊で目的語(名詞)として機能します。

 

tell は(情報を伝える)ことに主眼があります。tell は基本的に他動詞ですから、後ろに目的語が来ます。目的語がthat 節のみの場合は第3文型、「~に---と話す」と相手を先に言う場合は第4文型です。

 

He told that it was an exciting experience. 「彼はそれが興奮する経験だといった。」Jane told her mother that she had decided to study abroad. 「ジェーンは母親に留学することを決めたと言った。」

 

名前や住所を教える時にも使います。 Please tell me your name. 「どうか私にあなたの名前を教えてください。」He told us how to avoid sport injury. 「彼は私たちにスポーツでけがを避ける方法を教えてくれました。」

 

tell は基本的に他動詞ですが、 tell about --- で「~について話す」という使い方もあります。

 

tell を使う大切な構文が tell ~ to do (~に---するように言う) という形です。I told him to come back soon. 「すぐに戻るよう、彼に言った。」

 

この構文は、相手に~をするよう圧力をかける構文で、ask(頼む)、 want(欲する)、 hope(望む)、 force(強制する)などでも使うパターンですね。

 

tell は情報を伝えるために、情報をとらえる時にも使い、「わかる」「知る」という意味で使う時があるので注意しましょう。No one can tell what will happen tomorrow.「明日何が起こるか、誰にも分らない。」

そういえば占い師は「未来を告げてくれるので」 fortune-teller と言いますね。

 

さて「話す」という英語はさらに、ビジネスや公共の場では、ちょっとお堅い言葉がいくつかあります。mention (言及する)、state (述べる)、announce (発表する)、declare (宣言する)などです。TOEICや英検の上級にチャレンジするなら、まとめておきたいですね。

 

Tom mentioned a recent event in his field. 「彼は自分の分野における最近の出来事に言及しました。」

He stated his objection to the plan. 「彼はその計画に文句を言いました。」

The company announced that it would start a new SDGs project. 「その会社は新しいSDGs事業を開始すると発表しました。」

He declared that her testimony was not true. 「彼は彼女の証言は真実でないと言った。」

 

いかがですか。「話す」ことは人間にとって日々必要なコミュニケーションです。英語を学ぶ上でも大切なポイントになるので、しっかり理解しておきましょう。

 

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